2017年02月16日
ポルシェボクスターで音が悪いならスピーカー交換。
「音が...」とご相談のポルシェボクスター(987型)。

最初からではないと思いますが、既に市販ナビ(ケンウッド製)が装着されていて、内蔵のイコライザー等ではご自分なりに調整したようです。
聴いてみますと、やっぱりモコモコというかモヤモヤした感じがあります。
全体的にシャッキリしない、といえば分かりやすいでしょうか。
高音が出ていない訳ではありません。
低音も出ていますが、「ドンドン」とか「ズンズン」ではなく「モンモン」とか「ムンムン」という印象です。
音色の問題ではないかと推測しました。
現状がどうなっているか把握して、何ができるかを考えます。
ナビが既に変わっていますので、音の出口であるスピーカー側の解析を行います。
純正は高音・中音・低音のスピーカーが用意されています。
分解して解析を進めます。
高音用スピーカー(ツィーター)はダッシュボードAピラー横、中音用スピーカー(スコーカー)はドア内装に固定、低音用スピーカー(ウーハー)はドアに装着されています。
3wayというだけでも高級ですが、それぞれのスピーカーに音域制御用素子が付いていました。
純正でもさすがに高級車、手は掛かっています。
これも解析します。

ツィーターは7000~8000Hzより上の音を担当しています。
市販品のツィーターでは、4000~5000Hzから上を担当するものが多いので、高音の中でも音域が狭いか、耳に聞こえないほどの高音まで出すタイプかもしれません。

スコーカーは400Hzより上の音を担当しています。
ボーカルなども含めた音です。
高音側制御素子が入っていないのは、「高音は入ってきても出せない」からか、コストアップを避けたということではないかと推測します。
呼び径が約10cmですので、ツィーターが担当し始める7000Hzまでの高音を担当するのは荷が重いように思えますが、「出せないものは出ない」です。
ツィーターとの関係性で考えると、「普通に聞こえる高音部分はどこから?」という疑問も出て来ます。
強い高音を出ないように制御して、「聴き疲れしない音」に味付けしているかもしれません。
言い方を変えれば、意図的に「シャッキリしない音」に設計しているとも言えます。

ウーハーには素子は確認できませんでしたが、低音しか出ていなかったので、車体側の見えない場所で何か付いていそうです。
スコーカーとの関係性で考えれば、400Hz以下の担当でしょう。
しかし、低音専用と考えると、ちょっと広すぎる帯域に思えます。
そのせいで「モコモコ感」が発生しているのかもしれません。
解析のおかげで、制御素子を含めたスピーカー側に改善の方策があることが判明しました。
回路を考慮しつつスピーカーを交換するのが、「ハッキリしない音 」の解消になりそうです。

純正スピーカーの材質は「紙」です。
振動したときに紙特有の音が出にくいため、高級オーディオ用スピーカーに採用されることもありますが、これは高級な製造に手間が掛かっている高価な紙の話。
車両販売価格を下げるために要求される製造コストを下げるため、純正スピーカーの製造コストはシビアなレベルです。
スピーカーの振動板としては、紙は重いものに分別されます。
市販品では、ポリプロピレンなどの樹脂材やカーボンに代表される繊維材などが多いです。
実際には、材質うんぬんより、聴いた音の好みで選ばれるのが一番です。
店内のデモボードではなく、車両に付いている音を聴くのが、仕上がりの音を予想・想像しやすいです。

ご試聴の上、アメリカのキッカー製スピーカーに決定しました。
しっかり音が出るメーカーです。
ツィーターはKST204(税別19,000円 8%税込20,520円)
スコーカーはKSC44(税別17,500円 8%税込18,900円)
ウーハーはKSC674(税別25,500円 8%税込27,540円)
なお、世界中で人気のあるキッカーは、残念なことに見た目が精巧なコピー商品も数多く存在します。
見た目が同じだけで、分解すると全然内容が違います。
良い音が出るワケありません。
弊社は正規輸入元(株)オージーから仕入れておりますので、商品は間違いありません。
純正スピーカーは固定台座一体型ですので、基本的にプラスチック製です。
市販スピーカーでは、あらゆる車両へ対応させるために、別売りの台座が必要です。
市販されているものを採用するか、専用で作ります。
専用で作る場合は、取り付け箇所を計測して、加工しやすい木材で製作、場合によってはパテ等で整形して塗装や革を貼って仕上げます。
一般的に台座を製作する場合、木材を使用されることが多いのですが、台座の材質を変えて試聴実験をしてみると、木材よりもアルミや鉄などの固い材質の方が、音がリアルになりやすいという結果でした。
高音に関しても、固い素材の方が、不思議とキツくなりにくかったのです。

弊社では、加工費が追加されるために金額が高くなりやすい上に、出てくる音へのより良い影響を求めるために、木材での加工は基本的に行いません。
可能な限り、お買い得なアルミ製や鉄製の市販品を工夫して採用するようにしています。
固定する際には、ガッチリ固定するに限ります。
緩やかにネジを締めたのとガッチリ締めたのを比較すると、やっぱりリアル感が変わります。
木材よりも金属製台座を使用したいのも、よりガッチリ固定できるからです。
配線への接続端子の固定(カシメ)も、接触面積が増えれば信号通過量が増えますので、音も良好になりやすいです。
ツィーターKST204には、高音用制御素子が付属しています。
4500Hzより高い音のみ出るようになっています。
スコーカーKSC44とウーハーKSC674の同軸ツィーターは配線加工で鳴らないようにしてありますので、高音が複数箇所からは鳴りません。
スコーカーのツィーター部分の音をダッシュボード上から鳴らすようにしていると考えれば、繋がりが悪くなるとは思えません。
低音と中音の切り分けは、ナビに内蔵されている「クロスオーバー」を使って制御します。
クロスオーバーが無くても壊れることはありませんが、スコーカーが低音で若干割れやすくなったり、ウーハーがポコポコした音になるようであれば、追加で制御素子を追加して対処可能です。

内装の加工を一切していませんので、見た目は純正そのままです。
振動部分や固定部分が大きく異なりますので、音は大きく変わります。
ナビのクロスオーバーでは、制御するだけでなく、少々味付けをさせてもらいました。
ユーザーさんが手を出しやすいイコライザーは、調整の楽しみを残しておくために、フラット(無調整)で出荷することがほとんどです。
イコライザーは、ご希望があれば調整いたします。
高級車でも解析して何ができるかご提案します。
その車に何がベストかを常に考える
(株)赤池カーコミュニケーツシステムズ
静岡県沼津市旭町19
TEL:055-952-3236
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最初からではないと思いますが、既に市販ナビ(ケンウッド製)が装着されていて、内蔵のイコライザー等ではご自分なりに調整したようです。
聴いてみますと、やっぱりモコモコというかモヤモヤした感じがあります。
全体的にシャッキリしない、といえば分かりやすいでしょうか。
高音が出ていない訳ではありません。
低音も出ていますが、「ドンドン」とか「ズンズン」ではなく「モンモン」とか「ムンムン」という印象です。
音色の問題ではないかと推測しました。
現状がどうなっているか把握して、何ができるかを考えます。
ナビが既に変わっていますので、音の出口であるスピーカー側の解析を行います。
純正システムは3wayスピーカー
純正は高音・中音・低音のスピーカーが用意されています。
分解して解析を進めます。
高音用スピーカー(ツィーター)はダッシュボードAピラー横、中音用スピーカー(スコーカー)はドア内装に固定、低音用スピーカー(ウーハー)はドアに装着されています。
3wayというだけでも高級ですが、それぞれのスピーカーに音域制御用素子が付いていました。
純正でもさすがに高級車、手は掛かっています。
これも解析します。
高音部分について

ツィーターは7000~8000Hzより上の音を担当しています。
市販品のツィーターでは、4000~5000Hzから上を担当するものが多いので、高音の中でも音域が狭いか、耳に聞こえないほどの高音まで出すタイプかもしれません。
中音部分について

スコーカーは400Hzより上の音を担当しています。
ボーカルなども含めた音です。
高音側制御素子が入っていないのは、「高音は入ってきても出せない」からか、コストアップを避けたということではないかと推測します。
呼び径が約10cmですので、ツィーターが担当し始める7000Hzまでの高音を担当するのは荷が重いように思えますが、「出せないものは出ない」です。
ツィーターとの関係性で考えると、「普通に聞こえる高音部分はどこから?」という疑問も出て来ます。
強い高音を出ないように制御して、「聴き疲れしない音」に味付けしているかもしれません。
言い方を変えれば、意図的に「シャッキリしない音」に設計しているとも言えます。
低音部分について

ウーハーには素子は確認できませんでしたが、低音しか出ていなかったので、車体側の見えない場所で何か付いていそうです。
スコーカーとの関係性で考えれば、400Hz以下の担当でしょう。
しかし、低音専用と考えると、ちょっと広すぎる帯域に思えます。
そのせいで「モコモコ感」が発生しているのかもしれません。
解析結果から問題解決の方向性
解析のおかげで、制御素子を含めたスピーカー側に改善の方策があることが判明しました。
回路を考慮しつつスピーカーを交換するのが、「ハッキリしない音 」の解消になりそうです。
紙は重い

純正スピーカーの材質は「紙」です。
振動したときに紙特有の音が出にくいため、高級オーディオ用スピーカーに採用されることもありますが、これは高級な製造に手間が掛かっている高価な紙の話。
車両販売価格を下げるために要求される製造コストを下げるため、純正スピーカーの製造コストはシビアなレベルです。
スピーカーの振動板としては、紙は重いものに分別されます。
市販品では、ポリプロピレンなどの樹脂材やカーボンに代表される繊維材などが多いです。
実際には、材質うんぬんより、聴いた音の好みで選ばれるのが一番です。
店内のデモボードではなく、車両に付いている音を聴くのが、仕上がりの音を予想・想像しやすいです。

ご試聴の上、アメリカのキッカー製スピーカーに決定しました。
しっかり音が出るメーカーです。
ツィーターはKST204(税別19,000円 8%税込20,520円)
スコーカーはKSC44(税別17,500円 8%税込18,900円)
ウーハーはKSC674(税別25,500円 8%税込27,540円)
なお、世界中で人気のあるキッカーは、残念なことに見た目が精巧なコピー商品も数多く存在します。
見た目が同じだけで、分解すると全然内容が違います。
良い音が出るワケありません。
弊社は正規輸入元(株)オージーから仕入れておりますので、商品は間違いありません。
固定台座の材質でも音は変わる
純正スピーカーは固定台座一体型ですので、基本的にプラスチック製です。
市販スピーカーでは、あらゆる車両へ対応させるために、別売りの台座が必要です。
市販されているものを採用するか、専用で作ります。
専用で作る場合は、取り付け箇所を計測して、加工しやすい木材で製作、場合によってはパテ等で整形して塗装や革を貼って仕上げます。
一般的に台座を製作する場合、木材を使用されることが多いのですが、台座の材質を変えて試聴実験をしてみると、木材よりもアルミや鉄などの固い材質の方が、音がリアルになりやすいという結果でした。
高音に関しても、固い素材の方が、不思議とキツくなりにくかったのです。

弊社では、加工費が追加されるために金額が高くなりやすい上に、出てくる音へのより良い影響を求めるために、木材での加工は基本的に行いません。
可能な限り、お買い得なアルミ製や鉄製の市販品を工夫して採用するようにしています。
取り付け技術でも音は変わる?
固定する際には、ガッチリ固定するに限ります。
緩やかにネジを締めたのとガッチリ締めたのを比較すると、やっぱりリアル感が変わります。
木材よりも金属製台座を使用したいのも、よりガッチリ固定できるからです。
配線への接続端子の固定(カシメ)も、接触面積が増えれば信号通過量が増えますので、音も良好になりやすいです。
ところで、再生帯域制御は?
ツィーターKST204には、高音用制御素子が付属しています。
4500Hzより高い音のみ出るようになっています。
スコーカーKSC44とウーハーKSC674の同軸ツィーターは配線加工で鳴らないようにしてありますので、高音が複数箇所からは鳴りません。
スコーカーのツィーター部分の音をダッシュボード上から鳴らすようにしていると考えれば、繋がりが悪くなるとは思えません。
低音と中音の切り分けは、ナビに内蔵されている「クロスオーバー」を使って制御します。
クロスオーバーが無い場合は?
クロスオーバーが無くても壊れることはありませんが、スコーカーが低音で若干割れやすくなったり、ウーハーがポコポコした音になるようであれば、追加で制御素子を追加して対処可能です。
出来上がりの見た目は純正と同じ。でも音は全然違う。

内装の加工を一切していませんので、見た目は純正そのままです。
振動部分や固定部分が大きく異なりますので、音は大きく変わります。
ナビのクロスオーバーでは、制御するだけでなく、少々味付けをさせてもらいました。
ユーザーさんが手を出しやすいイコライザーは、調整の楽しみを残しておくために、フラット(無調整)で出荷することがほとんどです。
イコライザーは、ご希望があれば調整いたします。
高級車でも解析して何ができるかご提案します。
その車に何がベストかを常に考える
(株)赤池カーコミュニケーツシステムズ
静岡県沼津市旭町19
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